連載 第4回
【猫に振り回される日々 vol.1】
25期生 忠内理絵(ただうちあやえ)(旧姓:堀内)
高校卒業後、日本外国語専門学校へ進学。鈴与株式会社で税関への輸出入申告を行う通関誱に配属。その後はフリーペーパー出版社に長年勤務し、 2012年にフリーランスの編集者・ライターとして独立。静岡新聞社発行「浜松ぐるぐるマップ」では出版元と共働し、まるごと一冊を総括する。三度の飯より猫が好き!
うちには「チャクラ」という4歳の茶虎猫・男の子がいます。私にとっては、まるで息子。そしてチャクラも私から産まれたと思い込み、人間と猫の完璧な親子関係を築いております。2011年4月の夜、生死を彷徨っている生後二週間の子猫を保護。人生の中で、結構しんどいな~って時代は、誰しも必ずあるもの。まさにそんな時に彼と出会い、「この子を保護しなくては、私がダメになりそうだ」と、辛い状況にいる自分と重ね合わせたのです。チャクラは日増しに元気になり、赤ちゃんの頃はヤンチャ坊主。大きな声で鳴く淋しがり屋は可愛いだけでなく、忙しい時には少々困る存在でもありながらも今年で4年目を迎え、とても仲良く暮らしています。
私の性格といえば「出不精」であります。取材などで走り回っているイメージがあるようで、プライベートもさぞかしアクティブであろうと勝手に思われるのですが、現実はまったく逆。できれば家の中で一日中ゴロゴロ過ごしたい「引きこもり」体質です。ちょうどチャクラがうちにやってきた2011年、私は会社員を辞めました。失業手当をもらいながら、チャクラと家でラブラブする日々は本当に幸せでした!そのうち、お仕事をちょこちょこいただけるようになり、2012年1月にフリーライターとして個人事業主へとあいなりました。
母が出不精なら子はアクティブに育つものでしょうか。そんな私の「出不精」体質をこの息子は許しませんでした。チャクラはなんと「旅猫」へと成長を遂げたのです。保護した時に連日病院通いをしたせいか、ドライブは平気な様子。ちょっと買い物でも「僕も行く~!」アピールをしてくるので、車の中で暴れてはいけないと、わんこのようにリードを付けてみることに。リードを付ければ歩かせたくなり、散歩してみるとテケテケ歩く。遠出はどうかとBBQ施設へ連れて行くと、おとなしくその場にいる。さらにと、猫宿泊O.Kの宿へ泊まりに行くと、まるで自分の家にいるかのようにすみやかに場慣れをする。チャクラを連れ回したくて実験的にいろいろと出歩くようになり、私の出不精はだいぶ直りました。ちなみにチャクラのお気に入りスポットは「小國神社」の宮川沿いだそうです。
私にたくさんの驚きと幸せを与えてくれるチャクラ。人懐っこいこの子を連れて歩けば、気難しい顔をした人も笑顔に変わる。チャクラはたくさんの人々の笑顔を私に見せてくれ、少々しんどいシーズンも彼のおかげで乗り越えられました。去勢を済ませたチャクラはやんちゃな性格が変わり、とてもおとなしい子に成長しました。縁側でチャクラとポカポカ陽気に包まれる、老後のような静かな生活を送っていた私に今年再び「猫ハプニング」がやってくるとは思いもよらず・・・。その話は次号にて。とにもかくにも、ここ数年の猫に振り回されている私。はっきり言えるのは、やっぱり彼らは「招き猫」。幸せです!
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